2009年10月 北京
やがて木の葉を巻き上げてカラッ風がからだに当たってきた。 それは骨身に滲みる大陸のもう冬の季節風だった。

天安門西の交差点の北にあるタバコ屋で道をきき、ようやく場所が違うのに気が付いた。
自分が持っているのは、どうやらWeb予約したホテルとは、別のホテルの地図だった。
昨日パソコンでホテルを探していたとき、最後の画面でホテル予約したが、その前に別のホテルを
印刷した後でキャンセルした。家から持ってきたホテル地図は、そのキャンセルしたほうだったのだ。
訳がわからず北側に戻ると、軽いアルミ製の覆いを被せた軽ニ輪車が歩くスピードで
やって来た。もの珍しさも手伝って、自分はおずおずと近寄った。
運転席のおっとりした初老の人にホテルの住所を書いた紙を見せて、
「あなたは、このホテル、わかりますか?」と、かたことで聞くと、
「今夜寒いから、まあとりあえず入りなさい。」
いわれるままに自分は助手席に座った。
「その辺りはここから離れていて自分は詳しくないよ。」
でもいい、しってる範囲のことだけ、おしえてください。
「こっち側だと逆方向なのでタクシーは乗せない。」
え、そうだったですか?
「この向こう側に渡ってタクシーを拾うといい。彼らならば、きっとわかる。」
その意味がわかるまで3度以上聞き直した。
云われたとおりに、
こんどは交差点の反対側で、寒風の中で待つ。
数台か十数台、無視されつづけた末、やっと来たタクシーの運転手に、
ホテル住所のある予約書の紙を見せ、「このホテルか、住所わかるか?」と聞いた。
寡黙だが気の強そうな運転手は、知らないが、たぶん見当は付くと思う、という。
私は、さっそく乗った。 ここに立ってから、もう40分は過ぎていただろう。
走りながらタクシー運ちゃんが自分に訊いた。
タクシー「電話はあるか?」
自分「いま、持っていない」
タクシー「ホテルの電話・・・ 電話番号だよ。」
自分「あ、あります(紙を出す)」
タクシー「よし、ちょっと待て。かけてみる。」
自分「あ、ありがとう・・・」
やつは携帯でホテルに場所を確認した。彼のタクシーは一気に南へ走った。
夜の北京を一途に快走したタクシーは約20数分後、ある車寄せに停まった。
こんなとこか、というほど、シンプルな建物だ。私は礼を言ってタクシーを降りた。
日本を発つ前に名称を確認しなかったがホテルの中国名称は「北京天壇暇日賓館」
(HolidayInnExpressHeavenTenple)といった。
地下鉄駅から徒歩40分と、外資系だが鉄道駅のアクセスが悪い。最寄駅でも徒歩30分以上と、
都心でも駅の近場でもなかった。
なのに、ここを1泊5300円で日本からWebでクレジット予約していた。(一応、星が☆☆☆)