ミラノから、ベネツィアヘ 11月12日(水)


朝食を取ってすぐ、ホテルを出た。地下鉄DUOMO乗換えでBrella美術館へ行った。 
しかし閉まっていた。受付、と言うよりストライキの詰め所で聞くと、まだ Schopello(ストライキ)の最中!

さすがはストの本場と、半分感心して、時代がかった建物を出た。これで30分はスっていた。
帰り道を地図で見ると 今朝のDUOMO 駅はオペラ座経由で歩いて30分なので、街の見物に歩いた。
お店は相当数あるようだったが、明るい間は何を売っている店か、外から視えない。

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 北イタリアの鉄道で失敗


そういうわけでミラノを切り上げ、列車でヴェローナ VERONAか、パドヴァ PADOBAに寄って
夕方までにベネツィア VENEZIAに泊まろうと考えていた。

 10時半過ぎたので、ベネツィアに日中到着するには、途中下車しても、観る時間は、合計2時間しか取れない。

 でも、そこに賭けてみたいもんだ、と時刻表と地図を見ながら、思った。 
 少なくとも自分勝手にしている旅だから、目的地に遠慮する必要はない。
13時15分ころ、列車はイタリアきっての産業都市 VICHENZA 、ヴィチェンツァ駅に停車した。
ここで自転車を借りて町をようと、停車する10分前に思いついた。
下車して駅員さんに訊くと、荷物を預けるロッカーさえないって。
あるのは1つ前のVERONAヴェローナ駅だという。
 反対側ホームからすぐに下りが出るというので、また階段を駆け上って飛び乗った。

列車の席で考えた。今からあのヴェローナを見れるとして、1時間しかないのだ。
むしろさっきの電車に引き続き乗ったままパドヴァで降りていれば、
世界的建築家Paladioの、ネオロマネスク建築と古都の町並みを見学できて、正解だったかな…

折りしも車窓を見ていたらVERONA手前で、景色が視えないほどの雨が激しく降ってきた。
Romeo e Juliettaで有名なVERONA観光の中心は、駅からお城まで
数キロあるため、自転車があっても、雨の中を数十分は走らなければならない。

かなり悩ましくなっていたが、結局ベネツィアの隣り、パドヴァに引き返そうと考え、
VERONA手前のどかなブドウ畑の真ん中の(SanBonifatioという)駅で下車して待つこと約20分、
またVenezia方面の普通列車に乗った。
時刻は14時過ぎ。もうそうなると西ローマ古都のパドヴァPadovaで、街を少し見れれば充分だ。

各駅をのりついだ駅で、停車していた特急に乗り換えれてGood !
でも、ツイていたのはここまで、この特急がパドヴァに止まらず、ヴェネツイアに直行。
これが三度目のミスになって、持ち時間がぜんぶつぶれてしまいました!

北イタリアの沿線で下車して自作旅行をする私の試みは、これで徒労に帰したのです。m(x x)m

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こうまでして、わたしがイタリア国鉄で途中下車による観光を試みた理由を言わせてもらえば、
買った切符が通常より2ユーロをプラスした、(進行方向で)乗り降り自由の切符だったからだ。
この違いを有効に活用して一駅でも途中下車の観光を実現したかった。
でも日ごろの行いのせいで、報われずに終わった。

あと今晩ベネツィアの近くに泊まるだけ。夜になっても、可能なかぎりは運河の街を見なければ。
さいわい、明日帰りの航空便は、昼すぎの出発である。

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 夜のベネツィア 

 17時前に Venezia Mestre 駅に着いた。


 【Venezia St.Lucia 駅なかギフトショップ】

 幸いに駅前には手ごろなホテルがならんでいる。
手前2件はBestWesternHotelGroupのブックで見かけたので高いのがわかった。

 駅から少しはなれたHotel de Parisに入った。フロントも部屋も狭いホテルがある。
部屋を見せてもらうとバスルームやトイレなど、全てのスイッチがオートの最新設備だった。
食事なし1泊50ユーロ。

 荷物を置いてすぐホテルを出て、ベネツィア島に入る列車に乗る。約10分おきに出てる。

ベニスは水上バスがあるが、少し時間が掛かると聞いたので、夜になっているけれど、
徒歩で島に侵入した。

 はじめは人通りがあった。そのうち同じ道を歩く人も、いなくなっていく。
 細い路地を何度か過ぎて、ちいさな踊り場に出る。またしばらく路地を歩くと、小さな広場に出る。



これを繰り返すと、すこし明かりのともった街角に出たりする。
 何度目かの街角でAccademia美術館の裏に出たがあと少しで閉館時間であった。

 なんども橋を渡り返してFenicheオペラ劇場の前に出る。
そのあたりから、路地裏にレストランというか、食堂がいくつもあって、
肉屋、パン屋、みやげ物屋やらが続いている。その奥のひっそりした、かどのレストランに入った。
 引き返す前に気になって、なぜか金髪のウェイトレスが待っていた。
ここでスープにリゾットか何か二品も注文してしまうが、いけない。一品目でお腹一杯になった。
時計を見ると、残りの少ない時間も終わりに近づいていた。
無理して食べることはない。急に用ができたと、席を発った。
 もったいない、申し訳ない気持ちで一杯で、お勘定を頼んだ。
 初めは、なかなか承知しなかった。
やっとのことでconto,お勘定してもらった。お金より大きな喪失感がした。

 もうあとは観ることに専念できる。
 ベネチアの土産物の主力として、ベネチアンガラスは、
天つりのシャンデリアから動物のミニチュアまでが、すべて、
ベネチア島の外よりも高額に設定されていた。
 ※レース・ガラス杯はフィレンツェのガラス店で見た数倍はしていた。
でも靴やバッグには立派な見かけのわりに、安いものもあった。

 ショップが途切れたあたりで引き返し、ひたすらサン・マルコ広場を探した。

向こうからくる人の群れに逆って歩行する。
誰もいない暗いところへ出た、そこが広場の入り口だった。



 おおかた店は閉じているけれど、ショウウィンドウをみると時代を経た立派なのもある。
 少し進んで店のきれた角から、なにかオペラの音楽が聞こえる。
それは録音だったが、どこか催しがあるらしい。

音楽の聞こえた入口で、プログラム板を読んでいると、なかで招いている。
 なんなのか、と寄ってみると「もうすぐコンサートが始まるから見ませんか?」ときかれた。

手元のプログラムに "VIVALDI FourSeasons and Opera Highlights" とあって、25∈。

考えるまでもなく入場券を手にはいると、そこは小さな礼拝堂のような部屋になっていた。

まもなく、弦楽の四重奏が始まった。日本でときおり観かけたとそう変わらなかったが
指揮者が無くてもソツなく引く。曲目はVivaldi四季の春と秋。



続いて女、ソプラノ歌手が登場。 よく聴くオペラのハイライトを
次々とうたって、次に男、テノールが前にきて、また次々と熱唱した。

最後はいっしょに、リゴレットの乾杯のうた を大団円風にやって、
楽団員と握手し、手に手を取って客席へお辞儀して退場。終りとなった。

1時間のミニコンサートだった。ちかくのFeniche劇場では何も演ってないけど
この晩ベネチアは幾つかの場所からコンサートの音響が流れていた。



雨の中を歩いてると、映画音楽のメドレーが聞こえてきた。ホテル1F のレストランだった。


この日、北イタリアの列車やレストランではさんざん無駄な骨折りをしたが
きょうの苦しみが、やっと締めくくられた。

 帰りの水上バスは、もうあと1つで最終の便だった。

水上バスは「各駅」に停まり、ほぼ満員となって、終点までに40分を超えた。

VeneziaSantaLucia ベネチア・サンタルチア駅にもどる道で、迷った。

じぶんの位置を知るため、駅裏の高架道路に上がると客船が見えた。

豪華客船は好きなので、近くまで歩いていって、眺めた。

ベネチアに渡ったときと同じ、各駅の電車で海を渡れば、なんと1駅で帰れる。 

VenaziaMestre ベネチア・メストレ駅から、歩いてすぐのホテルに戻ったらば23時を過ぎていた。


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