広州・香港 旅行日程 と 行動・宿泊先

月日 旅行の場所 旅行レポート 宿泊先 補足
8/9 成田→香港(九龍) 省略 ReagalOriental(FO) HK$1056
8/10 香港→深セン市→広州市 広州(1日目) HotelSinoTradeCenter Hotel(省級☆☆☆) 260人民元
8/11 広州市→江門市→広州市 ・広州(2日目)
 ・江門市
HotelSinoTradeCenter Hotel(省級☆☆☆) 260人民元
8/12 広州市→深セン市(民族文化村・錦繍中国) ・シンセン(1日目) FuDuPingGuan 210人民元
8/13 深セン市(動物園・世界の窓)→香港(九龍) ・シンセン(2日目) ReagalOriental(HIS) 9600円
8/14 香港(九龍→港仔(Fudex会場)・中環) 香港 ReagalOriental(HIS) 9600円
8/15 香港(九龍→港仔(Fudex会場))→成田 下記の総括編を参照


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’08広東、香港のたび − 総括編


今回は広東の4回シリーズの最後に、まとめとして広州市、Shenzhen(シンセン)市の印象と
帰りの香港での感想をお送りいたします.。

まず、広州市(中国の8大直轄市の1つ。北京市や省と同等の重要レベル)、および
(中国最初の特別行政区−香港以外で初めて資本的な経済活動が認められた)
シンセン市の印象をかいてみる。

A:日本と似ていると感じたこと:

・暑いためか昼間オフィス街は、ビルの中は満員でも外を歩いている人は殆どいな
い。Yシャツすがたなど1人も。
・市の中心部に高いビルが林立。車が多い。自転車はあまりいない。
・広告の看板は少ないが、たまにあると、みな特大のだ。
(政府のスローガンであって、純粋の商業広告は殆どない)
・毛筆レタリングの漢字にメリハリがある。
・歩道、樹木、車道があり、さらにその間に数mスペースとたまにベンチがあり、
 通行、休息に余裕を与えている。通行人どうし顔も会わない。
 もちろん、2,3m寄っても人、自転車、車が接触することもない。

B:我が国とくらべて、明らかに違うと感じる点:
・庶民の暮らす地区は、オフィス街との区別はあるが区画は無く、とおりをはさんで
隣であったり、
 同じオフィス街の裏側一帯だったりする。 しかし、夜間は人がすまない街区はあ
まり見られない。
・テイクアウトの店は少ないし、待たずに食べれる。(KFC,MACはあるが誰も
居ない。香港でも空いていた)
・食堂は平均して安い。もりは、日本の1.5〜2.5倍。食べのこしても損はな
い.(香港は大盛り程度)
・三ツ星のホテルなら、正面のレストランだと30-40元台のメニューでも、地元の人
が入っていれば
 ホテルの裏の飲食店は10元クラスで十分おいしく食べれるだろう.(香港も20
元で同じ事情)
・どこにでもあるトイレは、有料の以外は自由に利用できる.(香港同じ)
・街中で子供、学生がのさばっていない (だが夏休み中、広州の渋谷?開放北路は
中高生でごった返していた)
・広州人はひどい宵っ張りで、夜十一時になっても店は空けてるし、流花湖公園のレ
ストランも営業時間まっ盛りだ。
・レストランでの喫煙、携帯通話、大声会話は基本的に、お咎めはいっさい無しのお
国柄

C: 今度の旅行で困ったこと:
・香港では、お年より以外は、英語が通じるが、共通語であるはずの普通話(北京
語)は通じない。
 広東では北京語を話しても庶民にはほとんど通じない。
・北京語は、銀行、切符売り場で。社会人だけがわかる。中高生は聞き取りが全くで
きない。
 英語の通用する場所はホテル、観光・公共機関の窓口。
・見るところが多すぎる。
 ディズニーランド的なのテーマパークは香港に3、4箇所、深浅は3箇所、広州に
もなんと2,3ヶ所もある。
 サファリパ−クは香港だけでなく、立派なのが深浅市にも、広州市にもある.
 そのほか歴史・記念館、美術・博物館、植物園、中国庭園、自然公園・休暇村など
ふんだんに有って、
 広州市内だけでも、5日あっても見切れない。ショッピングビル(モール)も大規
模なのがいくつもある.
・食べるものが安く、うま過ぎる。
・深浅人は商売っけが多すぎる。客引きが多過ぎる(特にマッサージは角々に公然)

D: 香港が 中国の内陸(省、市、県)と違っていること−
・すべての道路、街区、住宅、施設に英語名がついているし、入り口には租界よろし
く門衛が居る。
・あらゆる人工物は、実質英国人の所有するものという感じ。
・香港名は、英語名と特別の規則的な対応関係が無い。 全くのあて字か、土地っ子
のつけたあだ名。
・白人が住み、働き、買い物、遊ぶのは、ぜったい香港島。
・少数の高給アジア人は、両方に住んでいる。 
 だが、みんな香港島に住みたがっても、競争が熾烈らしい.
・地元のアジア人(広東人・帰化人)、アラブ系、ブラックは九龍サイドに、群棲す
る。
・支配層は、やはり多数の(共通語を理解する)広東人ということか。
・まちは繁華街しかないが、食べるだけなら20元出せばまんぷくする。
・食事以外の物価はすべて高い。
・住宅が最も高く、ついで人件費、工事費(経営費)、そして交通費
(Airport Express片道 90HK$は、内陸部なら、深浅駅から特急で広東省か
ら隣りの福建省か湖南省にいける)。


・おこじき、繁華街では目立たないが、人気のまばらなビルの陰におり、
 身より亡き年寄りまで含めると、実質的な生活困難者は、かなりいる。

・高収益の地下通路では、うわさに聞く、自称安徽省出身のおんな物乞いに出あっ
た。
 みると、あきらかに北方漢民族らしい、家柄も悪くなさそうなご婦人.なぜか着て
る服も悪くない.
 郷里まで帰るのに汽車賃がなくなったから、助けてください。不足を承知で賽銭代
わりに20元やったら、
 しつこいのでプロであることは、すぐわかったが、泣きそうな振りして訴える様子
が実に上手かったので
 お芝居の観覧料としてあんたはこれで十分とまた1枚上げてしまった。
 
 ・・・あとで考えてみたが、安徽省出身か疑わしいが、間違いなく、あの不憫なお芝
居で、ひと稼ぎ上げている
 プロの、『安徽おんな流れ物乞いXX』 という感じだった。 当局がおとがめし
ないのは小奇麗にしているからか。
 乞食とはまた人種が違っている。

・香港、九龍。なにせ、世界一の過密都市のなか、規模は僅かでも大金となる。 
ちょっとでも
 事業で失敗したら、一夜や一月で文無しになったりする。 そうなったら最後、休
もうにも居場所がない。
 つきづきの家賃、日々の食費も容赦のなさそうな超効率・実利第一の資本主義の生
き地獄には
 安穏とした気楽な隠居の余生など、求めようもないだろう。


 そういえば広州から香港に戻った翌朝、高層マンションの周りに、建物1Fの外壁
の小さなへりにもたれている、お年よりが俯いて、20人も30人もこのマンション
を囲んでるのをみた。
 みれば、戸外に出たくても数10uの周囲に腰をおろせるベンチ1つも無い。そのま
ま歩けば大通りで車にさえぎられる。 言葉も無くたたずむ、互いに気遣う様子も、
仲間もない。
 中国人なら大好きな孫や子も家族もなく。。。広州であれだけのびのび遊んでいた
のと同じ広東人とは思えないほど、表情はなく、苦しげだった。たとえ元は内陸から
の移民で、家族の少ない境遇だとしても、異常なのである。
 あの世界一、二たくましく働く人々なのに晩年がこれでは、気の毒で、見れない。

 ビルの谷間の、無いに等しい空間に、同居どころか、訪れそうな家族をまつでもない。
このマンションは住人にとっては夏でも、一刻も早やく過ぎ去ってほしい寒い冬なのだ。
社会の隅に追い遣られる高齢者の集団・・・これを見て、瞬間、わたしは悲しみと
同時に、無配慮きわまるマンションの建てた者と香港政庁への怒りを覚えた。

 近年、一般化した資本主義、刹那的な個人主義の行き着く先も、これでいくと最悪の
結果だろう。おそらく、これは、欧米資本経済に服従し、協力姿勢をとらざるをえなかった
国家の住民の末路だ。

 日本も同様な収益効率本位の資本主義の姿勢、経済大国への追従を継続すれば、
他人事ではなくなるだろう。 この人間疎外はどこの世界にも欲しくないと思った。

さいごに、今度の旅行をおおめに見てもらった、老いたる父母、休暇をいただいた職場、
有形無形の好意に感謝し、筆を置く。
2008.8.29 たけやん

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